ある日突然、メールが来なくなった…
昨日まで新しいメールが毎日のように届いてたのに、今日はさっぱり新しいメールが来ない…
ホームページを観たり動画を観たりするのは今のところ問題なさそう。
特に何も設定などは変えていないのに、なぜ?…
という経験をされた方は、案外少なくないかもしれません。
いったいどうしてこのようなことが起きるのでしょうか?
原因は「サーバ上のメールボックスが満杯だから」
症状が分かる前に、メールで何やらよくわからない英語のメールが届いていませんでしたか?
もちろん、メールサーバによってはそのようなメールなしにいきなり症状が発生することもあるので、一概には言えませんが…
もし届いているとしたら、例えば以下のようなメールかもしれません。
件名:*** disk quota exceeded ***
本文:*** WARNING! ***
A Disk space for you is xxxxx kbytes, and receive err has occured by not enough disk space.
PLEASE DELETE UNNECESSARY MESSAGE
英語が苦手な方のために簡単に訳しておきます。
件名:*** ディスクの割り当て容量を上回っています ***
本文:*** 警告! ***
あなたのディスクスペースは xxxxxキロバイトですが、ディスクスペースが不足しているため受信エラーが発生しました。
不要なメッセージを削除してください。
要するに、ご利用のプロバイダやメールサービス提供元のメールサーバにある、あなたのメールボックス(メール受信の私書箱のようなもの)がいっぱいになってしまって、これ以上受信できない状態になっている、ということです。
何が原因なの?
最近のメールソフトの設定は、デフォルト(既定…特に設定を変えない場合にとりあえず設定される)の設定によってメールをサーバに残すようになっています。
残す期間は無制限だったり、14日、のように日を切ってある場合もあるようですが、とにかく何か残すような設定になっていることが多いようです。
私が見た限りでは、Windows Liveメール(すでにサポート終了)や、Microsoft Office Outlook、Mozilla Thunderbirdなど、主要なメールソフトがそうなっているようでした。
このような設定のままメールの受信を続けた場合、メールが届く数が少ないうちはいいのですが、メルマガや迷惑メールなどで受信するメールが増え続けると、どこかでパンクしてしまう可能性があります。
もうちょっと柔らかく説明すると、
- コップ(=サーバ上のメールボックス)のなかに、新しい水(=新着メール)がたまります。
- 時々、コップの中の水を確認し、水を飲みほします(=メールをパソコンに受信し、メールボックスは空になります)
- だけど、水を今飲みたくない場合に、コップに水が入ったものを写真にとって、水を飲んだつもりになることがあります(=メールはパソコンにも受信するが、サーバにメールを残す設定)
- その状態が続くと、コップの水はどんどんたまり、ついにはあふれ出します(=メールボックスが満杯になり、受信できなくなります)
- 水を飲み干さない限り(=サーバにメールを残さないですべてパソコンに受信しなければ)、コップに新しい水をためることはできません(=メールボックスが満杯の状態では、それ以上新しいメールを受信することができません)
といった感じでしょうか。
これを解決するには、
- サーバにメールを残さないようにする
- なおかつ可能な限りこまめにメールを受信する
ということになりますが、そのためにメールソフトの受信設定、あるいはアカウント設定といった部分を変更しなければなりません。
設定変更の方法については、お使いのメールソフトによって異なりますので、改めて別の記事でご説明したいと思います。(※2017/12/26追記: Outlook 2013の設定変更方法について作成しました。以下の記事をご参照ください)
毎日それなりにメールが届いて、昨日まで新着メールを受信してたのに、今日は全く届いてない…なぜ? サーバにメールを残したままの状態が続くと、メールボックスが容量オーバーとなってしまい、新しいメールを受信できなくなります。 プロバイダメールのような「POP3」方式のメールサーバを使用されている場合、そもそもメールをサーバに溜め込むという考え方になっていません。 このページでは「サーバにメールを残さない」設定にする方法を、Outlook2013を例にとってご紹介します。 サーバにメールのコピーを残す・残さない設定を変更するには?(Outlook 2013の場合... - ケーブルテレビ(CATV) よくある?かもしれない質問・FAQ |
原因を作り始めたのは実はGmailかも?
なぜこのようなことが起きるようになったのでしょうか。
そもそも、10年ほど前までは、各プロバイダのメールボックスの容量は、1人当たり10MBとかものすごく小さいのが当たり前、という時代だったのです。ですから、パソコンにメールをすべて受信してためておくのが普通でした。
その状況を変えたのはおそらくGoogleのGmailでしょう。当時としては珍しい大容量のメールボックスを無料で提供したのです。しかも容量の上限はどんどん増えていきました。中にはメールのふりをして個人的な大きいファイルを保存しておく、というフリーソフトを作る猛者まで現れたくらいです。(Gmail Driveとかいったような…)
それまではPOP3というプロトコルでメールを受信していたのが、サーバ上でメールを管理するようになりIMAPという方式がだんだん浸透するようになりました。
そのうち、ハードディスクなどストレージ(記憶装置)の技術が進み、安価でより大容量のデータを記録できるようになったこともあり、メールの保存容量は各プロバイダとも徐々に増えていきました(増えていないところもあるようですが…)。Yahoo!メールやHotmail(マイクロソフト)などのフリーメールも大容量化していきました。
さらに拍車をかけたのがモバイル端末の普及です。iPhone以降、スマートフォンの台数が増え、パソコンを追い越すかというような時代になりました。モバイル端末には大容量のメールを保存する、という考えはあまりありません。したがってサーバ上にメールを保管しておくというのがますます重要視されてきたのです。
そういった理由で、メールサーバにためられるだけメールをためる状況が増えてきたため、メールソフトの側もデフォルトの設定をサーバにメールを残すような方向に替えてきています。
それが進んだのが最近のWindows 10に標準搭載されているメールアプリです。これは、まさにモバイル端末同様の考え方で、メールを端末に残さないような設計になっているため、Windows Liveメールなどと同じような感覚で使えない、という問題も起きてしまいました。
(参考)
2017/01/10をもって、Windows LiveメールをはじめとするWindows Essentialsのサポート及びダウンロード提供が終了しました。後継のメールソフトが不十分なため移行が難しいという声も聞きます。サポート終了と移行先について解説しました。 Windows Live メールのサポート終了に備えましょう。有力な後継ソフトはやっぱりTh... - ケーブルテレビ(CATV) よくある?かもしれない質問・FAQ |
とはいえ、大容量化できていないメールサーバを持つプロバイダ等も少なくはありません。また、あまりサーバにメールを残していると、いつかは満杯になる、という可能性も捨てきれません。特に迷惑メールが多く届いているようだと可能性はぐっと高まります。
gmailのように大容量でモバイル用途でも十分なメールであれば別ですが、そうでなければこれまで同様、メールはサーバに残さないでパソコン側ですべて受信して管理するのが良いのではないかなぁ、という気がします。実際のところ携帯キャリアのメールでも全てのメールが未来永劫サーバに残っているわけではなく、ある程度の日数が経てば消えてしまいますから…
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