今回は当サイト管理人の個人的意見が多くなってしまったので、コラムです。
LINEモバイル前倒しサービスイン
今日(2016/9/21)、LINEがLINEモバイルを本格提供開始すると発表しました。
今月5日から先着2万名限定で受付ということでしたが、反響が良かったのか、10月開始予定だったものを「準備が整ったから」ということで前倒しすることになったようです。
MVNO各社にとっても脅威な理由とは?
LINEモバイルは既存の携帯キャリアだけではなく、MVNOにとってもある意味脅威なのでは?と当サイト管理人は考えています。
それは、LINEが大きな特徴として挙げてきた以下の内容によります。
- LINEのID検索が可能(MVNOでは初)
- LINEカウントフリー
- コースによってはTwitter、Facebookもカウントフリー
- フィルタリングアプリ(iフィルター)が無料で使える
順に言及していきます。
1. LINEのID検索が可能(=年齢認証突破)
1.と2.はLINEが手掛けるからにはまぁやるだろうなとは思ってましたが…
自社のサービスに囲い込むには一番インパクトありますし。
ご存知の方も多いと思いますが、LINEのID検索を使うためには、年齢認証の作業が必要になります。ところが、3大キャリア以外の契約(MVNO)だと、加入契約時の年齢確認ができないからという名目で、年齢認証機能がありません。
(正確にはMVNOの多くはDoCoMo回線を使っていますが、年齢認証の画面はDoCoMoの認証システムにつなげようとするため進めません)
年齢認証ができない、ということはつまりID検索ができないわけで、疑似的に代わりの方法がないわけではありませんが、案外不便なものです。
MVNOができるまでは、SIMカードの発行元キャリアの認証システムを使う、というやり方でもよかったのかもしれませんが、これから国全体でMVNOが成長するためにと考えると、これは非常にマイナスだと考えます。
やり方はいくらでもあると思うんですよね。アプリ側で3大キャリア契約かMVNO契約かを選ばせて、前者なら従来の認証画面、後者ならMVNOにそれぞれ認証画面やAPIを用意してもらうでもよいでしょうし(できなければこれまで通り制限するだけのこと)。今までそれをやらなかったのはきっと今回の自社MVNOに誘導するためだった?と考えると何となく合点がいきます。
というわけで、IIJmio派の当サイト管理人としては、非常にモヤッとしております…。
(なぜIIJmio推しなのかは改めて別の記事で書きたいと思います)
2. LINEカウントフリー
費用的に採算がとれるのかどうかはさておき、これも自社囲い込みの為にやっぱりやってきたか、という感じです。
現在発表されている全プランで共通です。LINEアプリ(同社作のゲームなど派生アプリ等は除く)内でのトーク、無料通話(音声・ビデオ)、動画・画像・ファイルの送受信、タイムライン、スタンプ・着せ替えのダウンロードがパケット通信量のカウントに入りません。つまり使い放題ということです。
これがどれだけのインパクトなのかは、どれだけ皆さんがLINEアプリに依存しているかによって変わると思います。
例えば、普通の電話機能は全く使わず、話をしたいときにはLINEの無料通話だけ、という方については、電話のかけ放題契約すら要らないことになってしまいます。現在の3大キャリアのパケット契約はほとんど「かけ放題+パケットxxGB」という形になっています。LINEの通信もパケット通信料としてカウントされますから、電話はかけないけどLINE通話はたくさん、という方だとかえって損していたかもしれません。むしろそれなら電話でかけたほうが安上がりな場合だってあったかも。
ところがLINEカウントフリーであれば、LINE通話については全くのコミコミになってしまうので、何も考えないで「疑似かけ放題」ができあがってしまうわけです。しかも、他の通信でパケット通信量が契約を超過したとしても、LINEの通信には全く影響しないというのです。つまり動画を見すぎて制限がかかっても、LINEだけは普通に使える、ということです。
これはすごいです。かなり脅威です。
若い人になればなるほど、電話の依存率は低いはずなので、これならどこぞのワンキュッパよりも安いからこっち、という人も増えてくるかもしれません。事実、LINEの発表によれば10代と40代以上の契約ではLINEのみカウントフリーになる月500円~の「LINEフリープラン」のほうが契約が多いそうです。安さに流れているのが良く分かります。
3. コースによってはTwitter、Facebookもカウントフリー
2.の続きですが、20代・30代の場合はLINEのほかTwitter・Facebook(いずれも公式アプリでの当該サービス利用に限る)でのパケット通信量もカウントしないコース、「コミュニケーションフリープラン」のほうが契約が多いそうです。
※アプリ利用でも、外部リンクを開いたりする場合など、対象外になることがありますので事前に注意書きは読んでおきましょう。
たしかにこの年代だとTwitterやFacebookの利用も多そうなので、少し金額は上がってもここまで使い放題のほうがいい、という方も多くなるのでしょう。
LINEの公式ページには今後対象が増えるかも、みたいなこともあったので、Instagramなど利用の多いものについてはもしかしたらもしかするのかもしれません。
4. フィルタリングアプリが無料で使える
2.でLINEのみカウントフリーのコースは10代の利用が多いと書きました。
10代といえば未成年です。LINEの利用はともかく、ウェブだってゲームだってYouTubeだって普通に使ってしまうわけです。
とはいえ、18歳未満の利用では変なページを見に行かないように親は監督する責任があります。というわけでフィルタリング機能が必須となります。
このフィルタリングアプリも、地味に月数百円みたいな金額がかかったりするわけですが、これが無料で使えるのならこの際スマホ(もしくは電話機能のない「ほぼスマホ」)を子供に持たせてもいいか、という親も増えてくるかもしれません。
LINEフリープランなんか、パケット通信量こそ1GBしかありませんが、月500円ですからね…。フィルタリングアプリもつけてよくやれるなと思います。とりあえず入り口として、なんでしょうね。おそらく稼ぎ頭はスタンプとか着せ替えとかでしょうし、通信量が足りなければ上のコースに移ってくるかもしれませんし(SMS機能込とはいえ、金額だけで言えば他のMVNOよりも若干高め設定になっています)。
さて、金額設定もサービス特徴もかなり攻めてきたLINEモバイルに対して、今後ケーブルスマホをはじめとするMVNO各社はどう対抗してくるのか、今後も目が離せません。
(2017/04/22追記)
やはりLINEモバイルのサービス内容については各社思うところがあったようで、様々なカウントフリーのサービスが数社から登場しました。
いろいろ問題点も抱えているようですが、使い方によってはかなり有利な場合もありますので、そのうちまたまとめたいと思います。
気になった方はこちら!
ここまで読んで、LINEモバイルが一番合っている、という方もいらっしゃるかもしれませんね。
もう少し詳しくご覧になりたいという方は、LINEモバイルの公式サイトもチェックしてみてください。
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