(2017/09/25 加筆修正しました)
やっぱり「格安」なのが一番
MVNOを使うメリットは、なんといっても料金の安さです。
そもそもMVNOは、MNO(回線を借りる元。DoCoMoなど3大キャリア)との契約の形態にもよりますが、MNOからどれくらいの帯域を借りるか、プロバイダ同様に上位回線をどうするか、などでコストが変わります。
借りる帯域が多ければそれだけ電波塔からMVNO側にたくさんのデータが流せるので混雑は減りますが、この部分がかなり高いらしく(接続料で検索すると色々と…)、各社が頭を悩ませている部分のようです。
またMVNOの多くは既存のインターネットプロバイダが多いので、インターネットの上位回線の帯域の太さなどは光回線など他部門でのノウハウも働いてくるところかと思います。
それらのコスト計算を元にして、MVNOはお客さんに対してどれくらいの料金でどう使わせるかなどを自社で自由に(もちろん赤字にならない範囲で)決めることができます。多くは店舗を持たず、人件費や宣伝に極力お金をかけないことで、利幅も小さくして極力安い金額を目指しているのです。
3大キャリアの料金が高い理由
MNO(3大キャリア=ドコモ、au、ソフトバンク)は自社で設備を整備し運営するため、多額のコストをかけています。
電波を出す電波塔・アンテナ等の機器、電波塔までの回線、それらをコントロール・管理するための機器や人員など、実に様々です。自社で全てを整備しようと思うとびっくりするぐらいの金額が必要です。また、各端末メーカーに対してキャリア独自のサービスに対応したスマホ端末などを開発してもらう必要がありますので、そういった資金も必要だったりします。イーモバイルなどは契約が伸びずこれらのコストが重荷になった結果、ソフトバンクに吸収合併されてしまったわけですね…。
最近各キャリアが光回線とのセット割引、家族割引、ポイントやプレゼントなどを打ち出していますが、それらの割引の原資も必要です。
また、店舗の数が多いのも大きな要因です。MNOの直営店舗はほとんどないといってもよいほど少なく、多くは代理店の経営です。形態はともかくとして、店舗とそこで働くスタッフを維持するためにはそれなりの資金が必要になります。また他店との競争の為キャッシュバック等割引の原資も必要です。
いずれにしろ、こういった金額が積もり積もって、私たちが毎月払っている料金の中からまかなわれているわけです。そりゃ高くもなりますよね。
MVNOが安いのは「借りてるだけ」だから
それに対しMVNOは、あくまでも回線の借用ですから、自社で整備するほどのコストや手間はかかりません(故に参入しやすい)。また、多くのMVNOは最大通信速度を制限したり、あるいは(カケホとデジラが始まる前は唯一)データの月間総量で料金 を決める、などのやり方で、全体的な使用帯域を抑えることによりコストを下げています。
こうして下がったコストが、利用者向けの料金にも反映されています。利用者は、自分に必要な帯域、必要なデータ通信量、必要なサービスを選ぶことで、MNOよりもはるかに安価なサービスを受けることができます。本稿執筆現在では、MNOのパケット料金とMVNOのパケット料金では数倍の開きがあることも珍しくありません。
たとえて言えば、各所に店員さんがいて、至れり尽くせりのサービスを行ってくれる高級デパートと、余計なサービスは何一つないけどとにかく安いディスカウントストア、くらいの差があるようなものでしょうか。
ある程度の競争はやっぱり必要
こ うしたMVNOの台頭により、従来はパケット定額といえば7GBまで使い放題、の一種類しかなかったMNOのサービスにも競争原理が働き、今では当たり前となった「複数のデータ通信量を選べる」あるいは「家族でデータ通信量を共有できる」といったサービスが加わることとなりました。
MVNO側も対抗して料金値下げ、データ通信量の増加などサービス向上が見られ、消費者にとってみれば良い意味で競争原理が働いているのです。
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