ケーブルスマホ・格安スマホに乗り換えたいと思っていますが、デメリットや注意しておくことはありますか?

なんとなくは分かっているつもりだけど…

今の携帯・スマホ料金が高い、格安スマホってのがあると聞いたから、そろそろ変えてみたいなぁ…と思いつつ、なかなか踏み切れない、なんて方も多いでしょう。

さて変えよう、と腹をくくって準備を始めても、いざとなるとあれもしてなかった、これは考えてなかった、なんてことが次々出てきたりして、案外慌ててしまうものです。準備はお早目になさることをお勧めします。個人的な感覚ですが、これって実は中期計画くらいで変えるのがおすすめかも(多くの方はいわゆる「契約の2年縛り」の関係があるので…)。

とりあえず、変更する場合の注意点などを思いつくまま列挙してみます。他にもお気づきの方、経験談をお持ちの方がいらっしゃれば教えていただければ幸いです。皆様のお役に立てるかもしれません。

 

なくなるもの(1)各種割引

まず「なくなるもの」は以下のような項目が考えられるかと思います。なお名称は各社で異なりますので、ある程度は内容からご判断下さいませ。

  • 家族割(基本料割引、家族間の通話料無料・割引など)
    • 例えばIIJmioの場合、割引通話「みおふぉんダイヤル」を使うことで家族(同一ID契約)間の通話料が60%割引になるなど、通話料が割引になるMVNOも多いです。
  • 通話定額(かけ放題)
  • 固定通信回線とのセット割引(auスマートバリューやソフトバンク「おうち割」など)
    • 多くの場合、料金の割引がスマートフォン(携帯回線)側からの割引になっているため、乗り換えたら当然割引がなくなります。
    • ただし、ケーブルプラス電話の「auケータイセット割」など、固定回線側の割引の場合、家族の中で契約変更しない人がいる(割引対象の回線が残る)場合は、固定回線の契約先会社へ届出する(対象番号変更手続など)ことで継続できる場合もあります。あらかじめ確認しておきましょう。
  • 機種代金相当の割引(毎月割、月々割など)
    • そもそもこれが適用されているような方は、機種購入から2年未満で、機種代の残債があるはずです。またその期間中は機種代の購入サポートなどの割引があるため、基本的にはそれを払い終えてからのほうが良いと思います。ただし乗り換え後の差額によっては、2年を待たずに変えたほうが良い場合も無いわけではありません。
    • 最近よくある「48回払い」の方は、2年たったからといって他社に乗り換えようとすると、残額を全額払う必要がありますので要注意です。(CM等でよく言われている「支払いが半額で済む」のはあくまでも変更後の機種を同じキャリアで買い替えるときに限られます)
      …しかしこれ、よく言えば元の機種はキャリアに「下取り」されるわけで手元には何も残らないし、あまりオトクには思えないような気がするのですが、気のせいでしょうかねぇ?私個人的にはそこまで高い金額を払ってまで某リンゴの機種を使いたいとは思わないのですが。

 

なくなるもの(2)各種サービス

  • 携帯キャリア発行のメールアドレス
    • これは多くの方が自覚されているかと思います…
      例えばAndroidユーザーの場合、アプリのダウンロードなどに必要なのでGoogleアカウントを必ずお持ちだと思います。実はこれがGmailのアドレスになってまして(~@gmail.com)、これを使うことでリアルタイムでメールの着信が分かりますので、携帯メールの代わりに使うことも十分ありかと思います。私はアプリとは別にメール用のアカウントを作って使っています。
    • なお、3大キャリア以外のメールアドレスについては、相手の迷惑メール受信拒否設定などによって届かない、といったことも少なくありません。あらかじめ新しいメールアドレスをお知らせしておいて、拒否設定を解除、あるいは受信可能リスト(ホワイトリスト)に入れておいてもらうのが良いでしょう。LINEなど他の手段を使えればあまり問題にはならないかもしれませんが…
    • 各社の会員登録やメールマガジンなど、携帯キャリアのメールアドレスで登録している場合は登録の変更をお忘れなく。特にメルマガなど登録箇所が多い方は余裕をもって作業されることをお勧めします。また登録先のシステムによっては携帯キャリアのアドレス以外登録できない場合(特にガラケーのシステムから続いているようなとき)があるので注意しましょう。最近はスマホの普及でだいぶましにはなってますが…
  • LINEのID検索(年齢認証ができない)
    • これは3大キャリア以外は認められていないのでどうしようもありません。ID検索はばっさり捨てて、基本はQRコードやふるふるなどで対応するのが現実解でしょう。どうしてもID検索が必要な方は、LINEモバイルだけ可能なのでそちらを検討するのもありかと思います。
  • キャリア決済を使った支払や、キャリア提供のサービス関係
    • 特に毎月支払いの分は手続きを忘れると結構大変なことになるので要注意です。登録変更で継続するもの、あるいはこの際契約自体を見直すのもよいでしょう。
    • キャリア提供のものは使えなくなります。例えばauでいえばパス系(スマートパス、ビデオパス、うたパス…)など。
    • 特にアプリ・コンテンツ使い放題のサービスには注意が必要です。解約になった場合、インストール済みのアプリやコンテンツが使えなくなることが多いので、よく確認しておきましょう。
    • おサイフケータイ・電子マネーなどを使っている方は、決済方法を確認しておきましょう。
  • 各社でたまっているポイントなど
    • 一部は移行すれば使えることもあります。
      • dアカウントを作成し、dポイントカードと紐づければ引き続き使えるようです。ドコモポイントはこれまでは失効していましたが、dポイントへ移行できるようになるようです
      • auのポイントは複雑なので以下書き直しました(2020/10/12)。
        • 旧auポイントは、法人契約及び一部の固定回線契約を除き、2014年4月利用分をもって発行終了、以降はau Walletポイントに変更になっています。auポイントの方はauサービスでの利用の他、対応サービス(利用できる可能性)の多いPontaポイントへ交換して使うのがおすすめです。
        • 2014年5月~2020年5月20日まではau WALLETポイントが発行されていました。auポイント同様auサービスでの利用が基本です。有効期限が4年間の為、こちらも早めにPontaカードとの連携を行い、Pontaポイントにしておきましょう。有効期限が最終利用日から1年間となるため、1年に1回でも使えば有効期限が実質無期限となります。なおau WALLETカード(Masterプリペイドカード)には有効期限がありますのでご注意を。
        • au PAYがキャリアフリーになりました。Pontaポイントからのチャージやクレジットカードからのチャージもできるようです。但しWALLETのプリペイドカードは有効期限後の再発行はなさそうなのでPAYアプリ(スマホ必須)での利用となります。また解約後はauウォレットへのチャージ方法がauショップでの現金チャージのみとなります。
      • ソフトバンクの場合、ソフトバンクポイントは消滅しますので、商品への交換などができればそちらを。TポイントはTカードとの連携をしていれば、引き続き貯めたり使えたりできます。※以前のソフトバンクポイントは2014/6/30で発行終了しており、有効期限が3年間の為、現時点では消滅しています。
      • 法人の場合はこの限りではありませんのでキャリアに要確認です。
  • 端末保証
    • 特にiPhoneなど、端末保証などをキャリア経由での毎月払いにしている場合、補償がなくなります。
    • IIJmioの場合「つながる端末保証」など、MVNOやその他保険会社などで代替の保険的なサービスを用意していることもありますので、それが使えるようなら検討の一つにしてもよいかもしれません。但し、値段と補償が見合うかは端末の値段と保険料次第なので、何ともいえません。人によってはその金額を貯金しておいたほうがまし、という可能性もありますので、各自計算してみてください。
  • 海外でのパケット通信
    • 通信はできませんが、ほとんどの場合通話・SMSだけは可能です。通信については、SIMフリーなら通信優先にして現地SIMを挿すのもよし(IP電話アプリなどを使えば代わりになることもあり)。無難なのは通話はそのままにして通信はWiFiルータをレンタルすることでしょうか。
  • テザリング
    • DoCoMo端末を引き続き使用する場合に限りますが、案外見落としやすいので要注意です。テザリングをしなければ特に問題にはなりませんが…
  • データ容量の追加(MVNO契約先により)
    • MVNOの中には、月途中でのデータ容量追加ができないところもあります。あるなしにかかわらず通信量削減のためにも、固定回線などでWiFiが使える場合は、できるだけWiFiを使ったほうが結果的に安上がりになる場合も。(ポケットWiFiは携帯と同じですので要注意ですよ…光やCATVの高速サービスなどにしましょう)
  • DAZN for DoCoMoを使っている場合
    • Jリーグの為に入っている方も少なくないかと思います。通常のDAZNと別サービス扱いになっているため、for DoCoMoを解約→DAZN再加入の形をとる必要があります。料金が980円→1,500円になり高くなるので覚悟しておきましょう。
  • VoLTEの対応は機種によりけり?(音質を気にしなければ問題なし)

 

気を付けておくこと

  • 2年契約などの解約月を確認すること
    • これもほとんどの方が意識できている部分とは思いますが…
      2年縛りの違約金9,500円+MNP転出手数料の3,000円+新規契約手数料3,000円=15,500円(税別)を払ってもペイできるタイミングかどうか。例えばあと1か月待てば解約月、という場合ならそれだけで9,500円違いますから、翌月まで待っていたほうが良いでしょう。
      ※2019年10月以降契約のプランでは、解約金が1,000円に下がっている可能性があります。携帯会社のマイページやサービスセンター等でご確認を。
  • キャリアよりは速度が遅くなりがち
    • 特に昼休みや夜間など、使う人が多くなると遅くなります。仕組み上MVNOより先はインターネットと同じですから、遅くなる理由も変わりません。またキャリアとの契約回線の問題もあり、こればかりはなかなか難しいところでしょう。いたちごっこになる部分ですね。
  • 留守電や転送サービスを使っている場合
    • 引継ぎができません。引き続き使いたい場合は、移行先の会社で再契約・再登録が必要になります。運が悪いと数日間使えない可能性もありますので予め覚悟しておきましょう。
    • 留守電については、スマホ端末に簡易留守録の機能がついている場合もあります(シャープ、富士通など)。これだと月額料金がかかりませんから、それを使うという手もあります。ただし電波が届かない、あるいは電源が切れている場合には使えませんので注意が必要です。
  • データの移行
    • 主に電話帳になるかと思いますが、基本的にはSDカードを使って、旧機種でエクスポート(SDカードへコピー)→新機種でインポート(SDカードから読み込み)となります。
    • が、どういうわけか稀に正常に移行できない場合があります。特にガラケーからは注意が必要です。auのガラケーの場合は文字コードが違うのか、そのままだと文字化けする確率が高いようです。その場合、パソコンなどで文字コード変換をする必要があり、ちょっと面倒です。
    • iPhoneの場合はSDカードが使えないので、さらに面倒な可能性が。iPhone同士だとiTunesでうまくいけそうですが、それ以外の組み合わせだとちょっと面倒かもしれません。
    • Androidの場合、Googleアカウントで同期設定をしていれば、同じGoogleアカウントでログインすることにより自動的に移行できます。これが使える場合はほぼ手間がかかりません。
    • なお、組み合わせによってはフリガナがうまく移らず、移行後に五十音順に並ばない、ということもままあるようです。
    • (2017/9/11追記)ドコモ端末からの場合、ドコモ電話帳からドコモ謹製のアプリを使ってSDカードにバックアップすると、移行先の機種で取り出せないことがあります。ドコモ電話帳を移行するのはJSバックアップなどのアプリ経由がよさそうです。
  • シェアプラン
    • 金額を下げるために家族でパケットをシェアする契約になっている方は、契約がこんがらないように整理しておきましょう。特にメインの回線をMNPしてしまった場合、他の家族のパケット契約がなくなって止まってしまう可能性があります。移行の順番は注意が必要です。
  • トラブル発生時の対応について
    • ほとんどのMVNOはショップがないため、ショップに持ち込んでみてもらう、といったことができません。(ショップがあっても有料の場合もあります)。サポート体制はどうなっているのか、メールやホームページだけなのか、電話サポートがあるか、あるいはリモートサポートが可能なのかなど、あらかじめ確認しておきましょう。
    • 端末持込の場合は、端末が故障した場合、もともとの購入したキャリアかメーカーでの対応になると思われます。MVNO加入の際に購入する場合や、延長保証の対象になる場合も含めて、購入した端末の故障時の対応などは、あらかじめ確認しておきましょう。
  • LINEについて
    • トーク履歴は消えます。必要な画像・動画等はアルバムかSDカードなどへ保存しておきましょう。
      (2017/07/25追記:Android版でも最新バージョンであれば、Googleドライブ利用で文字だけは移動できるようです。ファイルサイズが小さかったことから、写真等はどうやら移らない様子…)
      (2017/10/24追記:iPhoneの場合、iPhone同士であればiCloud Drive経由で文字の移動は可能なようです。ただし新機種にインストールした直後の1回しか復元できない、Androidへは移動できないといった制限があるので注意が必要です)
    • グループリストやお友達リストは移すことができますが、機種変更の前にメールアドレスとパスワードの登録ができているか設定画面で確認しておきましょう(新しい端末でログインする場合に必要です)。

 

現在の端末を持ち込んで契約する場合

  • もちろん保証はないのであくまでも自己責任で実行しましょう。
  • SIMフリー以外の端末(キャリア契約端末)の場合、SIMロック解除が済んでいるかどうかを確認しましょう。
    • DoCoMo端末…ほとんどの格安スマホ会社(ドコモ回線利用のMVNO)で問題なく使えます。その場合SIMロックの解除は必要ありません。auやソフトバンク端末持込の場合はもちろんSIMロック解除が必要です。
    • au端末…mineoやUQ、IIJ(タイプA)などau回線を利用したMVNOに契約する場合でも、必ずSIMロック解除が必要になりますので注意が必要です。
    • ソフトバンク端末…ソフトバンク回線の場合はまだ数が少なく事例がほとんどないので、必ず事前に契約先に確認しましょう。
  • LTEバンド(周波数)が合わなくて通話できない、通信速度が出ない、エリアが極端に狭いということもありえます。
  • SIMカードのサイズを事前に確認しておきましょう。
    • まれに標準SIMや、少し前の端末だとそれなりにmicroSIMの場合も少なくありません。
    • 最初は持込でも、後から最新の端末に機種変更したいと思った場合には注意が必要です。最近の端末はnanoSIMを使うことが多く、そのままでは挿すことができません。
    • SIMカードサイズを変更する場合、変更手数料がかかります。また、SIMカードが郵送で手元に届くまで最大数日間は電話が使えなくなってしまいますので、そういったリスクも考えておきましょう。場合によっては、最初からnanoSIMを契約しておき、変換アダプタを取り付けてMicroSIMとして使う方法も考えておいたほうが良いかもしれません(MicroSIMをカットするのはかなりリスクが高いので)。
    • (2017/10/24追記)最近では、マルチSIMカード(3サイズどの大きさにでも切り取れるSIM)の提供を始めたところもあるようです。この場合、大→小は周囲を切り取るだけで変更できるのでとても便利です。最初は持ち込みの古い端末なのでMicroSIM、というかたはこちらを選んでおくと、後々機種変更の際にnanoSIMであっても切り取るだけで対応できます。

 

最後に

 

以上、控えめに書いたつもりですが、案外多くの項目があって自分でもびっくりした次第です。

格安スマホ・ケーブルスマホに乗り換えを検討している皆様の参考になれば幸いです。

 

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