はじめに
アンテナからケーブルテレビにして映りが良くなった、やれやれ…と思っていたら、あれ?昨日まで見られていたあの地デジチャンネルがなくなってる!
県境など、他県の電波も入ってくるような地域だと、往々にしてこのような現象が発生します。なぜケーブルテレビでは他県の電波が見られないのでしょう?
契約の問題と技術的な問題は別です
よく「ケーブルテレビにかえたら映りが悪くなった」とか「ケーブルテレビの契約時に『見られる』といわれたチャンネルなのに、なぜか映らない」といった話をききます。が、これらの原因は配線の劣化など技術的な話になります。
技術的な原因はこの記事ではなく、別の記事が参考になるかと思いますので、以下のページをご参照ください。
ケーブルテレビができたわけ
そもそも、ケーブルテレビの歴史をさかのぼると、放送局の数がまだ少なかった頃から、テレビの映りが悪い地域でできるだけ安定して、多くのチャンネルを見たいという住民の要望から生まれたものです。近くの小高い丘や山などに共同でアンテナを設置し、その配線を各家庭まで引っ張ってきたのがケーブルテレビの始まりなのです。
ほぼ県域の「放送免許」が根本的な原因
実はテレビが始まった頃はテレビの放送区域は今のような県域(一部地区は広域圏ですが)放送にはなっていませんでした。ところが放送局がどんどん増えてきて、そのうち国からの放送免許は各都道府県(一部広域圏)単位で出すようになってしまいました。
ケーブルテレビはその地域でアンテナを立てれば見られる放送を流すのが原則となってしまいました。それでも文化圏などの関係で、ある程度近くの他県の放送局を再送信することは既得権としてある程度は認められていました(一部もめた地区もありますが)。それでもアナログの時代はまだ良かったのですが、地デジに切り替わってから、民放連の要請などによりケーブルテレビでは原則として地域(県)外の電波を流せないようになってしまいました。放送局が再放送の許可を出さなくなってしまったのです。
ちなみにこれはフレッツテレビといった、光ファイバーなど通信回線を使ったテレビであっても同じことです。数年前に法律が変わり、これらも従来のケーブルテレビと同様の扱いとなったのです。
ということで、アンテナを立てれば他県の放送が見られるかもしれない地域であっても、現在は原則その県を放送対象地域とする放送局以外の電波は、ケーブルテレビ事業者がいくら流したくても流せないのです。
アンテナが残っていれば?
ケーブルテレビにする前のアンテナ、アンテナの下にあるブースターの本体、それとブースターに電気を送るための電源部(テレビの近くにあって、スイッチがついていてテレビ線2本と電源コードがついている箱です)がまだ残っていて、アンテナからの配線も切断されずに残っているようであれば、場合によっては配線の切換器を使ったりして無理やり見る、なんてこともできるかもしれません。
それにしても、TVerやAbemaTVなど通信でいろんなテレビ番組が見られるようになって来た昨今、テレビ局の現在の護送船団の仕組みもいつまで安泰かどうか(すでに経営的には安泰じゃないところが多いようですが)…
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