(2017/09/05 大幅に加筆修正しました)
どんなものが「サポートの切れたOS」?
多くの方が使っているWindowsの場合で言えば、以前に一時期ニュースなどでも大きく話題になった「Windows XP」やその後継の「Windows Vista」、そしてそれ以前のOS(Windows 95/98/Me/2000など)がすでにメーカー(Windowsの場合マイクロソフト社)のサポートが終了しています。
上にあげたようなサポートの切れたOSを使うことはお勧めできません。
そもそも「サポートが切れた状態」とは?
パソコンソフトに限らず、スマホやタブレット、果ては最近ではテレビやレコーダーなどもそうですが、最近のデジタル機器は製品の開発から発売までの期間がたいへん短くなっています。
技術は日進月歩で進歩していますし、ライバルも多いため、どんどん新しい製品を出さざるを得ないのです。とはいえ、どうしても人間が考え作るものですから、どこかに間違いはつきものです。最初から100%完璧な製品というのはありえません。
そこで、その不具合に対応したり、場合によっては新機能を追加したりするためのサポート期間というのが設けられています。現状、Windowsの場合は延長サポートも含めるとおおよそ最大10年前後になっているようです。
※おおよそ、というのはサービスパックなど後からの大きな更新に合わせてリセットされることがあるため、きっちり発売日からではなくなるからです…
ちなみにこの10年という長さ、利用者側からすればたった10年!?と思うかもしれませんが、製品を作る側からすれば正直言って「べらぼうに長い」のですね。
日進月歩で年に何度も改良を重ねなければならない、また数年に1度は全く新しい新製品を作らなければならない、といった環境で、同じ製品に対して10年間のサポートをするためには相当な人的手当てが必要ですので、開発費はものすごいものになることが予想されます。おそらくマイクロソフトだからこそできる技、と思います。普通のソフト会社では採算割れしてしまうことでしょう。
とにかく、いつまでその不具合対応、改良に手をかけられるか、という期間には限界があり、それがサポート期間という形で表れている、という認識を持っていただければ幸いです。
そして、そのサポート期間が終了してしまえば、その後何が起ころうとも、その製品に対して何か手当されることはなくなります。不具合が起きようが、故障しようが、もう一切知りませんよ、ということです。これが「サポートが切れた」状態ですね。
ちなみに…
昔の家電製品などは、IC内蔵とはいっても後から機能を変更したり、中身を書き換えたりすることが物理的に不可能でした。のちに一部の機能を書き換えられるものも出てきましたが、インターネットがない時代でしたので、直接お客様のところに作業員の方が訪問して、1台ずつ地道に作業を行うしかなかったのです。
ところが、インターネットの普及や、地デジ放送の開始に伴い、データを通信回線や放送電波に乗せて広く送ることができるようになりました。そこで、最近では後から不具合が起きた場合にそのような手段を使って対応を行う、ということが一般的になってきています。
パソコン・スマホ等の場合は、インターネットにつながっていることが多いので、インターネットを使って修正データを送り更新する、という手法が多くとられています。(携帯回線もデータの流れ的にはある意味インターネットの一部ですので…)
なぜ「サポートが切れる」とまずいの?
大きな理由は、先にも書きましたが、サポートが切れた状態とは「何が起きても知らないよ」の世界なわけです。ですから、たとえセキュリティ上の問題が見つかったとしても、それに対しての対応が取られないのです。ということは、万が一OSのバグなどの脆弱性を突いて感染するウイルス等が侵入した場合、対抗策がないということになります。これは非常に恐ろしいことです。
ちなみに、OSのサポート終了に合わせてウイルス対策ソフトのサポートを終了させるメーカーもあり、その場合、OSそのものが持っているアップデート(更新)機能だけでなく、各ウイルス対策ソフトのメーカーのサポートも多くが切れた状態になっています。
これでは、玄関の扉を開けっ放しの状態でウイルスという敵を丸腰で待ち構えているようなもので、大変危険極まりない状態です。
この状態でウイルスに感染していないから安心というのは、単に確率上の問題であって、単にこれまで運が良かっただけのことです。もしかしたら、大丈夫と判断した次の瞬間にウイルス感染するかもしれません。でも私たちにはわからないのです。怖いですね。
で、結局どうしたらいいの?
対策としてはOSをサポート中の新しいものに入れ替えるしかありません。
同じパソコンをそのまま使えればよいのですが、例えばWindowsのサポートが切れるまで使ったようなパソコンの多くは5年どころか下手すれば10年選手だったりします。となると、パソコンの性能上、新しいOSに入れ替えたくても、重くて使い物にならない、あるいは部品の故障が目の前にくる可能性が高いです。
というわけで、基本的には「素直に新しいパソコンを購入してください」という形になります。
もちろんご自身で対応ができる方はご自由にどうぞ、ですが、何かトラブルがあった場合ご自身で解決できないようであれば、無理して使い続けることはあきらめて、新しいパソコンの購入を検討していただくことをお勧めします。
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