(コラム)固定電話の終わりの始まり?旧来の固定電話網がついに全面IP化か

ニュースリリースによれば…

2017/04/06付で、NTT東西連名でのニュースリリースが発表されました。

発表資料はPDFファイルになっていますので、ざっくり要約を抜粋してみます。

 

発表内容の要約

  • 2025年頃に現在使用している固定電話網(アナログ・ISDN)の交換機が維持限界を迎え始めるため、それまでに固定電話網をIP網へ移行させたい。具体的には2024年初頭での契約移行を検討。
  • 現在の固定電話の受け皿として「メタルIP電話」サービスを開始する予定。基本料は現状同額、国内固定電話への通話料は全国一律8.5円/3分(光電話同様)。国際電話もNTT東西で提供。
  • 00XY(事業者選択)はできるようにするが、マイラインは終了。固定電話契約自体は現在契約中のマイライン選択に応じ、各事業者との契約に移行させる(希望した事業者への移行も可)。
  • メタルIP電話は他事業者に対し卸提供も行う。
  • NTT東西の固定電話契約はピーク時(1997年)の1/3まで落ち込んでいる(2,172万契約)。
  • NTT東西の固定電話を経由した通信トラフィックは、時間・回数とも2000年と比較して9割以上の減少。

 

固定電話という概念がもう限界?

なぜこんなことになっているのか、というのは今更ここで書くことでもないとは思いますが、

  • 携帯電話の普及。特にスマートフォンが普及し、家庭レベルでは携帯・スマホを使っての個人間でのやりとりが多くなった。
  • さらにスマホでも若者を中心にIP網を使用した無料通話アプリなどを使用する人が増えている。
  • 固定回線はネット回線の普及とともに、光回線、CATV回線などへの移行が進んでいる。特に光回線の普及に伴い、固定電話も光電話にとってかわられるようになった。

というところではないでしょうか。

現在固定電話を使っている契約の多くは企業・商店、それに携帯電話を持たない高齢者などが中心ではないかと思われます。

企業・商店は固定回線をなくして全部携帯に、とはならないでしょうが、家庭の場合は世代交代が進むにつれ、固定電話から携帯電話への移行がより進んでいくような気がします。

となると、今後固定電話網を高いコストをかけて維持するのは、確かに割に合わない、ということにはなると思います。少なくとも現状では、IP技術で同様のことができるようになっていますから、わざわざ独自技術の塊である旧来の交換機を残す意味はなくなってしまったといえます。

そういえば、公衆電話も減っていますが、残る分もIP化されていくのでしょうか…?

はたして今後どうなっていくのか、引き続き注目していく必要があるでしょう。

 

便乗・悪質商法にはご注意!!

この手の話が出ると、必ず「今までの電話が使えなくなりますのでこの電話機に交換してください」などといって、高い電話機を売りつけようとする、いわゆる悪質商法・便乗商法が増えてきます。

上でも書いたとおり、現在お使いの電話機は基本的にそのまま使えるという発表があっていますので、決して騙されないよう十分にご注意ください。

 

続報があります

2017/10/17に、NTT東西より正式に移行する旨の発表がありました。

以下の記事にまとめてみましたので、よろしければこちらもご覧ください。

 

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